仕事の要領のいい人とは目先の効率や損得を考えない人

仕事に誇りを持ちながら謙虚さも忘れずに (その1)

できる人は部下からも学ぶ

 一生懸命に学ぶという姿勢を、私が上司であったミスターA氏から学びました。彼が具体的な指導をしてくれたわけではありませんが、猛烈に働き、立派な成果を上げ続けている姿をみて、自然に学びとりました。 ミスターAは働きながらMBAを取得し、ロースクールに通って弁護士の資格を取った努力家です。法学博士にもなりました。そして、毎月二冊ベースで本も執筆していました。

 仕事に対する姿勢はたいへん厳しいものでした。会議の時間に少しでも遅れると、会議室に鍵をかけてしまい、入れてくれないと時もありました。営業に出かけたとき、私が大切な資料を忘れてきたことを知ると、その場で、「もう帰っていい、後は私がやる」と帰されたこともありました。厳しすぎるモーレツビジネスマン。そんなミスターA氏のことを周りの人は良くいいませんでしたが、私は彼を尊敬していました。
ミスターA氏は非常に仕事ができる反面、謙虚な人でもあったのです。私のデスクにやって来ては「教えてくれ」を連発していました。日本人である私の考や価値観が自分とは違っていることを知っていた彼は、わたくしの意見を良くきくことで、自分も学ぼうと思っていたのようでした。

ミスターA氏は国際税務に詳しく、講演もこなすほどでしたが、その専門分野の資料を私に読ませ、意見を聞かせてくれと頼まれたこともありました。私が意見を言うと、それをすばやくメモし、ほぼ仕上がっていた報告書に取り入れました。そのとき私は「彼の質問にはいい加減には答えられないな」と緊張し、さらに勉強することを自分に課しました。ミスターA氏との仕事の現場は私のとって道場であり、戦場でしたが、そのときの経験が血となり、肉となって後の私を支えてくれたことは間違いありません。

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